COLUMN活動報告

DEC. 05 2025

冬の過ごし方と障害

― 季節が変わるとき、私たちが気づきたいこと ―

冬になると、気温の低下や空気の乾燥、日照時間の短さなど、環境は大きく変化します。こうした変化は誰にとっても負担になるものですが、障害のある人にとってはより強く影響を受けやすい季節でもあります。冬の過ごし方を工夫することは、心身の安定や生活のしやすさを守るためにとても大切です。

まず、発達障害のある人は寒さや衣類の刺激に敏感なことがあります。セーターのチクチク感が苦手だったり、重いコートで動きにくくなったりすると、外出そのものがストレスになることもあります。また、冬は行事が多く、学校や施設の予定が変わりやすい時期です。見通しが立ちにくいと不安を感じやすく、気持ちが落ち着きにくくなることがあります。素材のやわらかい服を選ぶ、薄手の重ね着で調節しやすくする、カレンダーや写真で予定を「見える化」するなど、小さな工夫が安心につながります。

身体障害のある人にとっては、気温の低下は体そのものに大きな影響を与えます。筋肉のこわばりや関節の痛みが強くなりやすく、普段以上に疲労が出ることがあります。また、雪や路面の凍結は外出の大きな妨げとなり、転倒や事故の危険とも隣り合わせです。暖かい衣類で体を守ることはもちろん、外出する時間帯の調整や、移動ルートの確認などが安全に過ごすポイントになります。室内では加湿器や暖房を活用し、過度な乾燥や寒暖差から体を守ることが大切です。

精神面の障害を抱える人にとっても、冬は注意が必要な時期です。太陽の光が減ると体内リズムが乱れ、気持ちが沈みやすくなる「冬季の気分変調」が起きることがあります。また、寒さのために家にこもりがちになると活動量が下がり、それがさらに気分の低下を招くこともあります。朝にカーテンを開けて光を取り入れる、短時間でも体を動かす、温かい飲み物や入浴でリラックスするなど、日常の中でできる工夫が気分を守る助けになります。

冬は、誰にとっても少しだけがんばりが必要な季節です。だからこそ、自分に合った心地よさを見つけることや、周囲がそっと配慮することが大切です。小さな工夫でも、生活のしやすさは大きく変わります。この冬を、無理なく、安心して、あたたかく過ごせるよう、一人ひとりに合った過ごし方を一緒に探していきたいものです。

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