COLUMN活動報告

MAR. 24 2025

障がい児童における愛着障がいとは 

近年、子どもの発達において「愛着」の重要性が広く認識されるようになりました。特に、障がいを持つ児童の養育においては、愛着形成がスムーズにいかないことが多く、その結果として「愛着障がい」が生じる可能性があります。本コラムでは、障がい児童における愛着障がいの特徴やその影響、支援方法について考えていきます。

愛着障がいとは?

愛着障がいとは、幼少期における養育環境の影響で、対人関係の築き方や情緒の安定が困難になる障がいのことを指します。乳幼児期において、親や養育者との安定した関係を築くことができなかった場合、他者との信頼関係が築けず、極端な依存や拒絶、感情のコントロールの困難さといった問題が生じることがあります。

一般的には、愛着障がいは「反応性愛着障がい(RAD)」と「脱抑制型対人交流障がい(DSED)」の二つに分類されます。

反応性愛着障がい(RAD):対人関係において極端に回避的または無関心な態度を示す。

脱抑制型対人交流障がい(DSED):誰に対しても過度に馴れ馴れしく、見知らぬ人にも無防備に接する。

障がい児童と愛着障がいの関係

障がい児童においては、愛着障がいが発生しやすい要因がいくつか存在します。

1. 養育者との関係性の困難さ

発達障がいや身体障がいを持つ子どもは、意思疎通が難しい場合が多く、親や養育者との相互作用が制限されることがあります。例えば、言語発達の遅れがある子どもは、親に対してニーズを伝えにくく、結果として親子のコミュニケーションが不足しがちです。

2. 医療的ケアの必要性

重度の障がいを持つ児童は、頻繁な医療的ケアが必要となるため、親子のスキンシップが制限されることがあります。また、長期入院や施設での生活が続くと、特定の養育者との関係が希薄になり、安定した愛着の形成が難しくなります。

3. 社会的な孤立

障がい児を育てる家庭では、周囲の理解不足や支援の不足により、親が孤立しがちです。親が精神的に不安定な状態にあると、子どもへの関わり方にも影響を与え、愛着形成が困難になる可能性があります。

愛着障がいが及ぼす影響

愛着障がいを抱える子どもは、次のような問題を抱えることが多いです。

対人関係の困難:友人や家族との適切な関係を築くことが難しい。

感情の不安定さ:怒りや不安が強く、極端な感情の起伏を示すことがある。

学習の遅れ:情緒の不安定さが学習意欲に影響を与え、学力の向上が難しくなる。

自己肯定感の低下:自分に自信が持てず、新しいことに挑戦する意欲がわかない。

支援方法とアプローチ

愛着障がいを抱える障がい児童への支援には、以下のような方法が考えられます。

1. 安定した養育環境の提供

子どもが安心して過ごせる環境を整えることが重要です。親や養育者が一貫した対応を心がけ、子どもが「この人は自分を理解してくれる」と感じられる関係を築くことが求められます。

2. コミュニケーションの工夫

言葉だけでなく、視線やジェスチャー、絵カードなどを活用し、子どもが意思を伝えやすい手段を取り入れることで、親子の関係を深めることができます。

3. 専門的な支援の活用

児童精神科医や臨床心理士、発達支援センターなどの専門機関と連携し、適切な支援を受けることが大切です。また、保育士や教師とも協力し、学校や園での対応を統一することで、子どもが安心できる環境をつくることができます。

4. 親のメンタルヘルスケア

親が心身ともに安定していることが、子どもの愛着形成において重要です。育児のストレスを抱え込みすぎず、支援団体やカウンセリングを活用することで、親自身の心のケアを行うことも必要です。

まとめ

障がい児童における愛着障がいは、発達や対人関係に深刻な影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な支援と環境の調整によって、子どもが安心して成長できる基盤を築くことは十分に可能です。家庭だけでなく、社会全体で理解を深め、支援の手を差し伸べることが求められています。

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