COLUMN活動報告

DEC. 19 2025

子どもの感情コントロールを支えるために大切なこと

放課後等デイサービスで子どもたちと過ごしていると、「感情が大きく揺れやすい子」「気持ちの切り替えが難しい子」に日々出会います。発達特性がある子どもにとって、感情をコントロールすることは大人が想像する以上に難しく、本人にとってもつらさを伴うものです。だからこそ、感情の爆発を“問題行動”として捉えるのではなく、「どうしてそうなったのか」「今どんな気持ちなのか」に寄り添う視点が支援には欠かせません。

まず大切なのは、子どもが安心して気持ちを表せる環境をつくることです。子どもは安心できない場面では、怒り・不安・拒否といった強い感情が表に出やすくなります。声を荒らげたり、物に当たったりする行動の背景には、「分かってほしい」「助けてほしい」というサインが隠れています。そのサインを受け取るためには、スタッフが落ち着いた声でゆっくり話し、感情を否定しない姿勢がとても重要です。

次に、子ども自身が“気持ちを言葉にできる力”を育てていくことです。感情語(かなしい・イライラ・こわい・つかれた)を日々の会話に取り入れたり、絵カードや表情カードを使うことで、子どもは自分の気持ちを少しずつ理解し、表現しやすくなっていきます。「なんで怒ったの?」ではなく、「これはイヤだったんだね」「びっくりしたんだよね」と気持ちを代弁してあげることも有効です。

さらに、切り替えのための“具体的な方法”を一緒に準備しておくことも効果的です。深呼吸、静かな場所へ移動、センサリーツール(クッション、ストレスボール)、好きな絵を見るなど、本人に合った方法を見つけておくと、気持ちが高ぶる前に自分で落ち着く練習につながります。「落ち着いて」と言うだけではなく、落ち着くための選択肢を提示することが支援になります。

最後に、子どもが少しでも気持ちを整えられた瞬間をしっかり認めていくことが大切です。「怒りそうだったけど深呼吸できたね」「切り替えるために席を離れたね」と、小さな成功を見逃さず伝えることで、子どもは自信を積み重ねていきます。

感情のコントロールは1日では身につきません。しかし、子どもが安心し、自分の気持ちと向き合える時間を積み重ねることで、少しずつ「自分で気持ちを整える力」が育っていきます。放課後デイは、その練習を繰り返しできる大切な場所です。子どもたちの心の成長を、無理なく、丁寧に支えていきたいと思います。

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